にほんごNPO 外国人住民のための日本語教室、外国につながる子ども達の学習支援
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2024年8月号(246号)

2024年8月号(246号)

青い空に、もくもくとした白い雲。ひまわりが元気に上を向いていると
「夏だなぁ」と思います。他の国の「夏」の景色は、どのようなものでしょうか。
聞いてみたいですね!

  1. にほんごNPOだより
  2. 小春日和~現場から~….野秋貴靖
  3. にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子
  4. 思い出BOX…. 田野聖一
  5. 《編者メモ》

にほんごNPOだより

  1. 子どものための学習支援教室「ぐんぐん和田」(天竜協働センター)
    8月3日(土)15:00~17:00
    8月17日(土)15:00~17:00
    参加ご希望の方は、090-6363-1006(さいとう)にお電話ください。


  2. 子どものための学習支援教室「ぐんぐん浜北」(ふれあい交流センター浜北)
    8月3日(土)14:00~16:00
    8月17日(土)14:00~16:00
    9月7日(土)14:00~16:00
    9月14日(土)14:00~16:00
    参加ご希望の方は、下記のURLからどうぞ。
    または、090-7959-4153(たうち)にお電話ください。
     【ポルトガル語版】
     URL:https://forms.office.com/r/5hu0aWHuWP
     【英語版】
     URL:https://forms.office.com/r/i5mAmy6qhS

小春日和~現場から~…..

◆日本語教師のつぶやき、学習者のつぶやき、海外駐在を経験された方の
声などをひろっています。
今月は、野秋貴靖さんです。
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【手話はじめました(1)】

近年、NHK テレビでは、手話ニュースや手話の講座番組が増えてきました。
また、去年の暮に放送された草薙剛主演のドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」では、
手話を使う20人の出演者全員が聴覚障害者で、ドラマの演出家は、
手話の「表現の多彩さ、細やかさ」に圧倒されたと語っていました。

それらを見て手話に興味が湧いたところに、市役所の手話講座(全40回)の案内があったので、
応募することにしました。

講座の初日、冒頭で、受講する上での「手話の基本動作」の口頭説明がありました。
「わからない、もう一度(お願いします)…」などで、
講座で受講者が使う手話動作なので大事です。
この口頭説明が終わると、約2時間、受講中の発声は禁止され、
質問等は手話ですることになると告げられます。
受講者は驚き、どよめきますが、講師は受講生の不安の声をよそに、
これが方針だとして講座を進めて行きます。

手話表現のうち実際の形や動作に近い「山」「木」「わかる(胸をなでおろす動作)」などは、
ある程度想像できます。
しかし、抽象的な言葉はお手上げです。
「わからない」は、「肩に触った手を体の外側にはじく」のですが、
これは、日常にない動作で見当がつきません。

なお、手話は独立した自然言語であると説明されています。
手や指だけでなく、非手指動作(顔の表情など)も用います。
また、構文上は日本語と同じSOV型(主語+目的語+動詞)ですが、
いつ、どこで等のいわゆるwh疑問文では、それが最後に来て日本語とは語順が異なり、
このため言語学的にも別言語とされるのだそうです。

外国にも言語ごとに異なる手話があります。
また、各国の手話を基にした国際標準(国際手話)も作られていて、
国際会議や国際交流の場で用いられています。

来年11月にはデフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)が日本(東京)で開催されます。
浜松市はブラジル選手団の事前合宿に協力する協定を結び、
市民との交流も予定されるようですが、楽しみです。

にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子

◆にほんごNPOの代表として種々の活動に取り組む中で感じた諸々を綴ります。
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【たまには、ご褒美を】

S小学校から家まで徒歩で約20分。行きはタクシーだが、帰りは雨が降らない限り歩く。

1学期の支援の最終日は、これまでになく暑かった。
学校を出、大通りに出るまで、まっすぐ家に帰ろうか寄り道をしようか、迷っていた。
12時近かったから、太陽は真上からじりじりと照り付ける。

暑い!かき氷が食べたい!
でも、昼食はどうする?
寄り道をしないで家に帰り、しっかりと昼食をとって休息をとるのが体に最もいいだろう。
大通りに出る直前、寄り道をすべき理由を思いついた。

そうだ。きょうは、朝から水分を補給していないんだった。
水筒をテーブルの上に置いたまま、家を飛び出してしまったのだ。
あと15分、この炎天下を歩くのは危険だ。水分を補給しなければ。

大通りを家とは反対方向に曲がり、しばらく行くと、浜松でも有名な和菓子店がある。
一昨年に一度味わってから、またいつか行きたいと思っていた。
久しぶりに食べる抹茶あずきは、本当においしかった。
一学期間、本当によく頑張った。最高のご褒美だと思いながら、一口一口味わった。


【夏風邪】

今年度は、幼稚園での日本語学習支援を4か所に増やす計画だ。
7月下旬に、新規に支援を始める園、2か園での打ち合せを予定していた。

打ち合せ当日の朝、どうも体がだるい。微熱があるようだ。
前日、絶え間なく鼻水が出た。夏風邪に違いない。
午後になると、熱はさらに上がり、起きているのが辛くなった。
頼りになるNPOのメンバーが、打ち合わせに同行してくれることになり、ほっとした。

翌日、私の体調が悪いことを偶然知ったメンバーから、差し入れが届いた。
差し入れの紫蘇ジュースのおかげか熱が下がり、近くの病院へ検査結果を聞きに徒歩で出かけた。
風邪の症状が治まっていたため、風邪薬は処方してもらわなかった(後悔…)。

翌々日、もう1か園の打ち合わせも、大事をとって休ませてもらった。
やりかけだった教材の印刷を完了。打ち合わせの前にファイルしたものを手渡すことができた。
打ち合わせの後、指導者2人で支援の進め方についての確認ができたようで、よかった。

金曜日、教育委員会へ書類を届け、帰りに書店に寄って絵本を購入。
土曜日は「ぐんぐん勉強会浜北」へ出かけ、4歳になったばかりの子に日本語支援をした。
そして、きょうは日曜日。発熱した日から1週間が経つ。
まだすっきりと治らないのは、年齢のせいかなあと、ぼんやり考えている。

思い出BOX…. 田野聖一

◆国内外の日本語学校やNPOの日本語教室で日本語教師を長年務めてきた
田野聖一さんの「思い出BOX」をそっと覗いてみましょう。
田野さんは、静岡文化芸術大学で日本語学や英語教育を学び、
この3月に修士課程を修了されました。
研究を続けながら、日本語学校の非常勤講師をしていらっしゃいます。
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【クックドゥ】

冷蔵庫の野菜室にキュウリが何本も転がっている。
家の畑で採れたものに加え、父親の友人で、近所に住んでいる広岡さんが持ってきたものだ。
このオジさんは不思議な人で、我が家で作っている野菜を知っているのに、
自分の畑で採れた同じ野菜をお裾分けにくる。
「おう、持ってきたで。」
持ってこられたら断れない。
かくして田野家の野菜室はピーマン、なす、キュウリで一杯になる。

傷む前に消費してしまわなければならない。
自宅療養中なので時間はある。まずはピクルスを作った。
以前友だちに自家製のピクルスをもらったことがあり、作るのはそれほど難しくないと踏んだ。
ローリエはわざわざ買うのもバカらしいので入れるのをやめる。
黒粒こしょうはテーブルこしょうで代用した。
まずまず食べられるものができた。

翌日が消費期限の鶏のもも肉も使わなければならない。
鶏肉、キュウリで料理サイトを検索すると、棒々鶏が引っかかる。
胸肉で、とあったが気にしないこととする。
フォークで穴を開けた肉にお酒を振り、レンジで蒸す。酢、砂糖、醤油などでタレを作る。
夕食に出すと家族の評価も上々だった。
それ故、翌日の母親の行動は理解に苦しむ。
胸肉を買ってきたのは分かる。
私が料理した棒々鶏をおいしいと言って食べていたのに、クックドゥの棒々鶏まで買ってきた。

《編者メモ》

専門学校でWeb講師をしている先生の話。
クラスの留学生から、「市役所から届いた手紙を見てほしい。」と相談され、
見てみたものの、難しい日本語で、日本人の私も分からず、
市役所へ行って、直接話を聞いた方がいいよ、とアドバイスしたそうです。
親切な市役所職員が担当してくださればいいのですが…。(空)

ニューズレター「異文化交差点」
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