2024年9月号(247号)
9月は「長月」ですね。ようやく夜が長くなる月という「夜長月」の略称、または
稲熟 (いなあがり)月、稲刈 (いなかり)月、穂長月が変化した説があるそうです。
稲の収穫時期ということで小田刈月、菊の季節ということで菊月、
旧暦では山も紅葉で色づく時期ということで紅葉 (もみじ)月とも言うそうです。
今の暦では、まだまだ暑い日が続きます。
にほんごNPOだより
- 子どものための学習支援教室「ぐんぐん和田」(天竜協働センター)
9月7日(土)15:00~17:00
9月21日(土)15:00~17:00
参加ご希望の方は、090-6363-1006(さいとう)にお電話ください。 - 子どものための学習支援教室「ぐんぐん浜北」(ふれあい交流センター浜北)
9月7日(土)14:00~16:00
9月21日(土)14:00~16:00
参加ご希望の方は、下記のURLからどうぞ。
または、090-7959-4153(たうち)にお電話ください。
【ポルトガル語版】
URL:https://forms.office.com/r/5hu0aWHuWP
【英語版】
URL:https://forms.office.com/r/i5mAmy6qhS
小春日和~現場から~…..野秋貴靖
◆日本語教師のつぶやき、学習者のつぶやき、海外駐在を経験された方の
声などをひろっています。
今月は、先月に引き続き、野秋貴靖さんです。
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【手話はじめました(2)―手話は日本語じゃないの?―】
市役所主催の手話講座(全45回)に参加して三分の一が終わり、
受講生同士で手話の会話も少しできるようになりました。
同じクラスの受講生は約20人で、女性が8割、
年齢層は学生から高齢者の方までいて、大半の方は仕事をしています。
仕事柄なのか、福祉・医療関係の方が比較的多いですが、
仕事との関わりはないが何か人の役に立つことをしたいという
会社員もいて、参加の動機は様々のようです。
この夏、パリでオリンピックとパラリンピックが開催され、
テレビの報道で外国語の手話を初めて見ました。
パラリンピックは身体障害者の大会で、
そこでは競技の合図や判定の告知に号砲や放送が使われています。
ただ、聴覚障害者には音でなく光や振動で伝えることが必要なので、
競技運営上の理由から聴覚障害者のためにデフリンピックが行われています。
次回開催は来年11月、会場は東京です。
手話を日本語と比べると、手話は身体動作を細かく区別して伝える特徴があります。
戸を「開く」は、押す、引く、スライドなど開け方で手話は変わります。
伝える内容は音声表現より具体的です。
また、日本語で使われる「が」「は」などの助詞の多くを手話では表しません。
語順は、通常、名詞、動詞が先行し、形容詞、副詞はその後になります。
いつ・どこ等のいわゆるwh疑問文では(いつ・どこ)が最後に来るなどの違いもあります。
音声の日本語を語順どおり機械的に置き換えるわけではなく、
手話は日本語とは別の言語といわれます。
手話と日本語とはコミュニケーションの持ち方でも異なってきます。
日本語は全部を言葉で説明しなくとも意思が通じる「察しの文化」の表れといわれ、
一方、米国人やドイツ人は具体的な言語での意思表示を重視する
「低コンテキスト文化」で、手話は後者に分類されると専門家は説明しています。
日本語では「今日残業をお願いしたいのですが…。」と語尾を濁す場合も、
手話では「残業できますか?」とはっきり尋ねます。
手話と日本語の違いは文化の違いにも関わり、奥は深いです。
にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子
◆にほんごNPOの代表として種々の活動に取り組む中で感じた諸々を綴ります。
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【台風】
猛暑と台風の8月、いかがお過ごしでしたか。
下旬に日本を襲った台風10号は、日本各地に大きな被害をもたらしました。
被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げます。
地方の小さなNPOにも、台風10号が日本近海に長逗留したおかげで、
かなりの混乱がありました。
29日(水)、小中学校での学習支援事業の指導者のための研修会を、
オンラインでの研修に変更しました。
皆さんに配布しようと思っていた絵本やワークシートがお渡しできず残念。
でも、スライドを使ったお二人の実践発表が素晴らしく、感動的な研修会になりました。
指導者一人ひとりの力が着実に伸びていることを実感すると同時に、
私もみんなに負けないように頑張らなければ、という思いを新たにした一日でした。
31日(土)の午後の教室と、1日(日)の午前の教室を中止としました。
土曜日の授業は委託事業なので、中止にした分の埋め合わせを
しなければなりません。
委託先や担当の先生と話し合い、翌週と翌々週の授業を
1時間延長することで対応することにしました。
スタッフにも学習者の皆さんにも3時間の長丁場に耐えていただかなければなりません。
日曜日の教室は、木曜日にコーディネーターの佐藤さんと相談して、中止を決定。
なかなか連絡のつかない学習者の方がいて、先生方の間で、Lineが何本も飛び交いました。
当日は、曇り空。連絡できなかった学習者の方が来る可能性が大きいということで、
教室の近くにお住いの先生が、会場の入り口付近で待機してくだったり、
学習者の最寄りの駅で学習者を待ち、休講を伝えてくださったり…。
でも、新規に学習を希望する方が3人いらしたとのこと。
待機も無駄ではなかったようです。
1週間以上続いた長雨。どこにも出かけることがなかったせいで、
摂取したカロリーが使いきれず、ウエストのあたりがやや重くなったような気がします。
私の学校での支援は、5日(木)が初日。
果たして4階まで息を切らさずに階段を登れるかどうか、はなはだ自信がありません。
思い出BOX…. 田野聖一
◆国内外の日本語学校やNPOの日本語教室で日本語教師を長年務めてきた
田野聖一さんの「思い出BOX」をそっと覗いてみましょう。
田野さんは、静岡文化芸術大学で日本語学や英語教育を学び、
この3月に修士課程を修了されました。
研究を続けながら、日本語学校の非常勤講師をしていらっしゃいます。
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【鳥肌】
風呂の水が半分しか入っていない。
「お風呂が沸きました」
と給湯器が言ったのに、だ。
パネルを見るとエラー表示が731と出ていた。
取り扱い説明書を見ても731の項目はない。
シャワーにしてもお湯が出ない。どうやら故障したようだ。
今夜は水風呂か。
雨天のため少し涼しいが、チェンマイの乾期よりはマシだ。
タイのチェンマイに2年ほど住んでいたことがある。非常勤だが日本語教師をしていた。
住まいは1泊120B(バーツ)の安宿。当時1Bが3円ほどだった。
安宿だからシャワーは水しか出ない。
暑い時期はいいが、乾期の最低気温は最低15度くらいまで下がる。
昼間温められた水が一番温かくなるのは夕方だ。
体をなるべく小さくし、エイっと気合いを入れ、全身を濡らす。
頭にシャンプーをつけ、体に石けんを手早く塗る。
頭からシャワーを浴び体まで一気に洗い流す。
寒いからスピード勝負だ。水シャワーには慣れている。
給湯器の修理は明日らしい。
息子はタオルを水で濡らし、体を拭いていた。妻は髪の毛だけ水で洗っていた。
今晩の気温は28度。浴びられない気温ではない。
「オレは水でも大丈夫だから。」
頭も体も水で洗う。慣れていると強がってみたが、腕に鳥肌がたっていた。
《編者メモ》
水曜日、台風の影響でJR東海道在来線が運転見合わせ。
仕事先へ車で向かうべく出発したものの、東名通行止めによりバイパス大渋滞。
10分程で通過できるところが40分以上かかるため、出社断念し、
担当授業も休講に。結局、日曜日まで在来線は運転見合わせ。
月曜日は、夏休み明けのような気分でした。(空)