にほんごNPO 外国人住民のための日本語教室、外国につながる子ども達の学習支援
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2022年12月号(228号)

2022年12月号(228号)

全国各地から、素敵な紅葉のニュースを目にしました!
紅葉のあとは、いよいよ寒さ本番の季節。
今年の冬は、例年より厳しい寒さになるという予想が出ています。
コロナとインフルエンザにも気をつけてお過ごしください。

  1. にほんごNPOだより
  2. 小春日和~現場から~….岡田理江
  3. にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子
  4. 思い出BOX…. 田野聖一
  5. 《編者メモ》

にほんごNPOだより

  1. 子どものための学習支援教室「ぐんぐん和田」(天竜協働センター)
    12月10日(土)15:00~17:00
  2. 1月のニューズレターはお休みです。
    ちょっと早いですが、皆さまどうかよいお年をお迎えください。
    2月にまたお目にかかりましょう。

小春日和~現場から~….岡田理江

◆日本語教師のつぶやき、学習者のつぶやき、海外駐在を経験された方の
声などをひろっています。
今回の担当は、小中学校で日本語学習支援を担当してくださっている岡田理江さんです。
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【指導者みんなの力で】

小・中学校の日本語学習支援グループでは、年度ごとにテーマを決めて
研修会を実施しています。今年度の研修会では、発達年齢ごとのグループに
分かれて日本語基礎指導の教案や教材を作成しました。

子どもへの日本語指導は、発達年齢によってアプローチが違います。
低学年児童は、体を使いながら丸ごと覚えます。中学年になると、
指導者が自然な文脈の中で使う文法項目にある程度注目することが
できるようになります。
高学年や中学生は、提示された多くの例文から文型を分析し、
その意味を理解することができます。
このような学齢ごとの認知力に合わせた指導ができるよう、
教案や教材も学齢相当のものが必要になります。

これまで、クラウドで共有している教材やオリジナル教科書
「日本語のつばさ」を使い、指導者がそれぞれに工夫して指導をしてきましたが、
今回、指導者同士が話し合いながら教案を考えることで、
それぞれの指導者が持っている指導法を共有したり不足している教材に
気づいたりすることができました。

 中学年については、今まで学齢相当レベルの教材が少なく、
指導がしづらいことがありました。
今年度の研修会で、高学年・中学生向けの教科書である「日本語のつばさ」を
ベースに中学年向けの教材「にほんごわくわくワーク」を完成させることが
できました。個人で作るのではなく、チームで作ることでより良い教材になったと思います。

 今年度の研修会について、指導者のみなさんからは、「勉強になった」
という声が聞かれる一方で、「考えるのも作るのも時間がかかって大変だった」
という声も聞かれました。研修会当日までに自分が担当する教案や教材を作成し、
当日はそれをチーム内で検討し、後日フィードバックを踏まえて最終版を完成させる
という活動内容だったため、指導者のみなさんには、研修会当日以外にもかなりの時間を
割いて取り組んでいただいたかと思います。
その成果として素晴らしい教案・教材が出来上がり、感謝の気持ちでいっぱいです。

 日本語ゼロで編入した子どもの日本語基礎指導にあてられる時間は、
80時間しかありません。この貴重な日本語学習の時間が、
今回作成した教案や教材を使うことで、より充実したものになることを願っています。

にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子

◆にほんごNPOの代表として種々の活動に取り組む中で感じた諸々を綴ります。
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【 図書館 】

小学校での支援の帰り、昼食を途中のお寿司屋さんで食べ
(何と贅沢なと思われるだろうが、道中にはその店しかないんです…)、
学校から徒歩で10分のところにある東図書館へ行った。

 自宅とは反対方向だから、帰りは徒歩40分ということになる。
学校の門を出るまで、行こうかどうしようか迷っていたのだが、
門を出ると、足は自然に南を向いた。
絵本を読みたいという気持ちが「帰りのしんどさ」に勝ったのだ。

 久しぶりの図書館は楽しかった。
支援対象の子どもたちに今度はどの絵本を読んであげようか、
絵本リストをバージョンアップしなくっちゃ等と考えながら、絵本を何冊も読んだ。
浜松市おすすめの絵本リストもいただいたけれど、
やはり、外国人の子どもたちには難しい本が多い。

プレスクールで保護者の皆さんに配布する「図書館案内」を言語別に参加人数分
用意していただくようお願いすることもできた。
予約の仕方や電子図書のご案内もいただいた。

ついでに『さかなクンの一魚一会』を借り、満ち足りた思いで家路についた。
晩秋の道を45分(近道が頭に入っていなかった…)ひたすら歩いた。
ちょっとした旅行のようだった。

さかなクンの本は、夕食後、一気に読んだ。
お母さんのすばらしさに胸を打たれた。おすすめです!

思い出BOX…. 田野聖一

◆国内外の日本語学校やNPOの日本語教室で日本語教師を長年務めてきた
田野聖一さんの「思い出BOX」をそっと覗いてみましょう。
田野さんは4年前に静岡文化芸術大学に入学して日本語学や英語教育を学び、
4月からは大学院で学ばれています。
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【受験指導】

インドネシアの大学入試は3種類ある。

静岡文化芸術大学にいるインドネシア人研究生に聞いた。
日本人配偶者を持つ女性で、今年の2月に大学院の試験を受ける。
現在は国際開発のゼミで研究生として学んでいる。

インドネシアの国立大学には一般入試と推薦入試がある。お金を払っても入れる。
賄賂ではなく合法的なシステムとしてあるらしい。金額は学部によって違う。
人気のある学部ほど高いという。学費もどのルートで入ったかによって変わってくる。

「私は推薦で入ったので、1年3万円くらい、お金を払って入った人は年間11万円くらいです。」

多少学力がなくても学びたい人が学べ、優秀な人は安く学べる。
大学は学生と運営費を集めるために質のいい学部を作る。
頭も、お金もない人はどうするといった問題は残るが、合理的なシステムだ。

私はこの研究生に受験指導をしている。国際開発のゼミの先生に小論対策を頼まれた。
過去問で練習をする。
いくつかのお題の中から書けそうなものを一つ選び、1600字程度で書く。
最初は観光公害についてだった。バリ島では現在レジ袋の使用が禁止されているらしい。
次は多文化共生施策だ。
日本では土葬のためのハードルが高く、土葬が基本の在日イスラム教徒が困っている。
知らない話が次々と出てくる。
AIについて書くときは2人でAIについて調べた。どちらの勉強かわからない。
次はシェアリングエコノミーだ。

《編者メモ》

先日、豊田市小原地区の「小原の四季桜まつり」に行ってきました。
銀杏やもみじと共に、桜が咲いているのです。
海外からの観光客と思われる方もいらっしゃいました。
例外な日本の四季ではありますが、限られた滞在期間に、
桜も紅葉も見ることができて、少しお得かも…と思った次第です。(空)

ニューズレター「異文化交差点」
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