2023年7月号(234号)
夏至を迎えて、日が長くなったのを実感しますね。
冬至はかぼちゃを食べる、ということをすぐに思い出しますが
夏至には、何を食べるのか…地域によっていろいろあるそうです。
皆さんのお家では、どんな習慣がありますか?
にほんごNPOだより
- 令和5年度(2023年度)にほんごNPO総会のご報告
総会にほんごNPOの定時総会を6月25日(日)14時00分より、
リモート会議システム(zoom)を利用して開催しましたので、ご報告申し上げます。 正会員67名のうち、出席した正会員は14名、委任状をお送りくださった方は
34名でした。
定款27条の「正会員総数の2分の1以上の出席」を満たしていますので
総会は成立いたしました。 総会では、下記の議案についての審議が行われ、全てご承認いただきましたので、
ここにご報告いたします。
それぞれの詳しい内容につきましては、
以前、メール添付にてお送りした審議事項の資料をご確認ください。 (1)第1号議案 令和4年度 活動報告
(2)第2号議案 令和4年度 決算
(3)第3号議案 令和5年度 活動計画案
(4)第4号議案 令和5年度 予算案
(5)第5号議案 任期満了に伴う役員の交代について 今後も、皆さまのNPO活動への積極的なご参加をお待ちしています。
(文責:にほんごNPO理事長 加藤庸子) - 子どものための学習支援教室「ぐんぐん和田」(天竜協働センター)
7月8日(土)15:00~17:00
7月22日(土)15:00~17:00
参加ご希望の方は、090-6363-1006(さいとう)にお電話ください。
小春日和~現場から~….中村雅俊
◆日本語教師のつぶやき、学習者のつぶやき、海外駐在を経験された方の
声などをひろっています。
今回は、 中学校で日本語・学習支援をしてくださっている中村雅俊 さんです。
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【読書のバリアフリー】
6月の研修会で、やっと日本語が読めるようになった外国人の子が興奮して体を震わせ、
大声で絵本を読むビデオがありました。
そこでは物語の展開の面白さや同じ言葉のリズムを繰り返す楽しさが伝わって、
言語習得の原点を見たように思えます。
本や雑誌を読むことは楽しみの一つですが、視覚障害やディスレクシアなど、読書が難しい人がいます。
そこで、すべての人が読書できるよう2019年に読書バリアフリー法が制定され、
音声図書(オーディオブック)や機器やアプリ、大きな文字の本、やさしく書かれた本などが
充実するように研究機関や全国の公立図書館が取り組んでいます。
日本に住む外国にルーツを持つ子も、この恩恵を受けることが可能ですが、
行政や研究機関は、どのようなニーズがあるのかを、模索しているのが現状だと思います。
現場で支援している私たちが提言していく必要があるのではないでしょうか。
日本語学習者にとって、一つの漢字の読み方が複数あることは文章を読む大きなハードルです。
音声図書で聞いてから本を読む方法もあります。
また、視覚障害者のためのアプリEnvision AIやサリバン+(プラス)を使えば、
文字を音声で読んでくれます。使い方は簡単です。
これからは、それぞれの学習者に適した便利なツールを使って楽しく学習していけることでしょう。
★お知らせ★
オンデマンド研修「読書のバリアフリーをすすめるために」があります。
そこでは、「外国にルーツのある子どもたちの言葉と読書を支える」という講演もあります。
視聴は無料、先着1000名で申込〆切は7月25日です。
「読書バリアフリー研究会」のHPから申し込みが可能です。
https://www.itc-zaidan.or.jp/summary/ebook/barrierfree/2023/event_special/
にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子
◆にほんごNPOの代表として種々の活動に取り組む中で感じた諸々を綴ります。
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【笑うから楽しい】
総会の折、出席された皆さんにお話ししたことですが、
ニューズレターをお読みいただいている皆さんにも聞いていただきたいと思います。
にほんごNPOの活動を始めて、今年で丸22年になります。
22年間で、いろいろな方々との出会いがあり、いろいろな刺激をいただきました。
NPOの活動をしていなければ、出会うことはかなわなかったかもしれません。
さらにNPOの活動は、人生にも大きな恩恵をもたらしてくれる言葉にも出会う機会を広げてくれました。
今回は、皆さんに、私が出会った言葉の中から「笑うから楽しい」という言葉をご紹介したいと思います。
この「笑うから楽しい」という言葉は、小学校6年生の国語の教科書(光村出版)に
掲載されている説明文のタイトルです。不思議なタイトルですね。
改訂された国語の教科書が書店から届き、「さあ、リライトしなくっちゃ」と、
ぱらぱらとめくっているときに目に飛び込んできたのが、この言葉でした。
口を横に開いて笑ったような表情をすると、鼻の入り口が広がり、多くの空気を取り込むことができます。
そうすると、脳を流れる血液が冷やされて、楽しい気持ちが生じるという内容でした。
つまり、特段、楽しいことがなくても、笑顔を作ると、脳が「楽しい!」と誤解するんですね。
この言葉を知ってからは、仕事に追われているときや、介護で心が折れそうになったときなど、
「さあ、元気を出して!」と自分自身を励ましながら、思い切り笑顔を作るようにしています。
皆さんも、辛いときや苦しいとき、いやなことが続いたとき、「笑うから楽しい」という言葉を
思い出してくださいね。
そして、口角をぐっと上げて笑顔を作り、脳にいっぱい空気を送ってあげてください。
笑顔は、あなただけではなく、周りの人の気持ちも明るくしてくれるはずです。
このコラムを読んでくださった方の周りに、ヒマワリのような笑顔があふれますように。
思い出BOX…. 田野聖一
◆国内外の日本語学校やNPOの日本語教室で日本語教師を長年務めてきた
田野聖一さんの「思い出BOX」をそっと覗いてみましょう。
田野さんは5年前に静岡文化芸術大学に入学して日本語学や英語教育を学び、
現在は、大学院で学ばれています。
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【ゼミ】
私が最近買って良かった物の一つに「ファミマのチョコチップメロンパン」がある。
静岡文化芸術大学では毎週水曜の18時から19時半、
日本語教育が専門の准教授が、現役日本語教師や日本語支援者のためのゼミをやっている。
教材は『第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと』(くろしお出版)だ。
事前に4節ずつ各自が読んでくる。当日は4人から5人の小グループに分かれて、ディスカッションする。
初回はバースデーラインで並び4人ずつ区切りグループを作った。
今回は、最近買って良かった物を思い浮かべ、50音順に並んでグループ分けをする。
「めがね」、「ホットプレート」、「飛行機のチケット」、「パソコン」を
挙げた5人でグループ活動をした。
まずは簡単な自己紹介と最近買って良かった物の紹介をする。
ヤマザキは普通サイズのチョコチップメロンパンも出しているが、
大きいチョコチップメロンパンの方がおいしい。
多分表面の堅さと中身の柔らかさのバランスが違うのだと思う。
最近ファミマのチョコチップメロンパンを買ってみた。
これは普通サイズだが、ヤマザキの物と同じくらいおいしい。
「田野さんがこんなに熱く語っているのを初めて見た。」
准教授に言われた。
「頭がいい人が外国語もできるのか」、「外国語学習の才能は存在するのか」
「外国語学習の適性は訓練可能か」「やる気があれば最後は言語習得に成功するか」
今回のゼミは以上の4節だ。
1人が各節を要約後、気になったことなどを話し合う。
「話は変わるけどさ。」
「飛行機のチケット」の人が「外国語学習の才能は存在するのか」のときに言った。
「駅前のパン屋にイチゴ入りメロンパンってあったけど、イチゴが入っていたらメロンパンじゃないよね。」
「やる気があれば最後は言語習得に成功するか」の節では動機について話し合った。
「田野さんの仕事の動機付けは、仕事後のメロンパンでしょ。」
帰宅後「ホットプレート」の人から「帰る途中で雨が降ってファミマに寄れませんでした」
とメールが入った。
《編者メモ》
「夏越の大祓」今年は、なぜか、よく目に入ってきたこの言葉。
2日遅れではありますが、浜松の五社神社へお詣りに行き、
1年の前半を無事過ごせたことを感謝してきました。
今年も後半戦がスタートしましたね!(空)