にほんごNPO 外国人住民のための日本語教室、外国につながる子ども達の学習支援
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2024年3月号(241号)

2024年3月号(241号)

三寒四温の候、そして花粉症のシーズンでもあり、卒業のシーズンでもあります。
花粉症の人には辛い季節ではありますが、新しい門出を祝う時には、笑顔でいたいですね!

  1. にほんごNPOだより
  2. 小春日和~現場から~….お休みします
  3. にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子
  4. 思い出BOX…. 田野聖一
  5. 《編者メモ》

にほんごNPOだより

プレスクール終了
3月2日(土)新1年生のためのプレスクール(全8回)が終了しました。
ご協力くださった皆様に感謝申し上げます。

子どものための学習支援教室「ぐんぐん和田」(天竜協働センター)
3月、4月はお休みです。

小春日和~現場から~…..

◆日本語教師のつぶやき、学習者のつぶやき、海外駐在を経験された方の
声などをひろっていますが、今月はお休みします。
会員の皆さんからの投稿をお待ちしています。ご連絡ください

にほんごNPO諸事雑感 …. 加藤庸子

◆にほんごNPOの代表として種々の活動に取り組む中で感じた諸々を綴ります。
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【プレスクール】

可美公園総合センターで1月13日(土)にスタートしたプレスクールも、
3月2日(土)をもって最終回を迎えた。
運営に当たるスタッフは総勢20名。
1年で最も寒い時期での開催は、開催する側も大変だが、
子どもを連れて参加する親の側にも、強い意志が必要だ。

プレスクール事業の対象は、4月に新一年生になる外国ルーツの子どもたちで、
日本語指導が必要だと判断された子どもたちか、日本語学習を希望した子ども達だ。
今年は7カ国、39人の子ども達の登録があり、平均で毎回26人が参加した。

最終日、子ども達は平仮名で自分の名前を書く練習をした。
閉校式には、保護者や来賓の前で「あいうえおの歌」を歌い、
自分の名前と入学する学校を一人ひとり発表した。
大きな声で元気に言える子ばかりではなかったけれど、
初回の日から約2カ月。なんとまあ大きく成長したものだと感慨深かった。

保護者はこの日、「入学式について」「入学する前に大切なこと」「入学してから大切なこと」を学んだ。
中でも、保護者の皆さんが最も真剣な表情で見ていたのは、入学式のビデオだ。

最後に、あるお母さんから質問があった。
「子どもは何を着ていけばいいですか。」
やはり、いちばんの心配は、「セレモニーに何を着るか」だった。

思い出BOX…. 田野聖一

◆国内外の日本語学校やNPOの日本語教室で日本語教師を長年務めてきた
田野聖一さんの「思い出BOX」をそっと覗いてみましょう。
田野さんは5年前に静岡文化芸術大学に入学して日本語学や英語教育を学び、
現在は、大学院で学ばれています。
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【社会】

名古屋大学の博士後期課程を受験したが、不合格だった。

お世話になった大学の先生達に報告のメールを送る。

ゼミの先生からは「どっしり構えて次を考えましょう」と返信がきた。
副指導の先生からは「今までの蓄積もありますから、次のステップをどうするかですね」
とメールが来る。
研究計画書の指導をしてくれた先生からは「今後の作戦を練りましょう」と、
別の先生からは「この結果がよい方向に繋がるかもしれませんね」と励ましの言葉が届く。

小5の息子には、一緒に風呂に入っているときに話した。

「試験ダメだったよ。」
「えっマジ、ヤバい、ニートになっちゃうじゃん、どうするの。」
「どうしようかな。」
「どうしようじゃないよ、社会に出て働けよ。」
「ニート」だの、「社会に出ろ」だの、一体どこで覚えてくるのだろう。

人類学者である奥野克美が書いた本、
『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』
の冒頭にはニーチェの言葉が紹介されている。


報酬を得るために仕事を求めるーこの点では文明諸国のほとんどあらゆる人間が
現在同じ事情にある。彼らのすべてにとって仕事は一つの手段であって、
それ自体が目的なのではない。それゆえ彼らは、その仕事が豊かな実入りを
もたらすという条件があれば、仕事の選り好みはなどにはあまり細かく心をつかわない。
ところで、仕事の悦びなしに働くよりはむしろ死んだほうがましだと思うような
一風変わった人間もいる。それは例の選り好みをする人たち、
なかなか満足しない人たちであり、彼らにとっては仕事それ自体が
一切の収益にまさる収益でないなら豊かな実入りも何の足しにもならないとされる。

 ーフリードリッヒ・ニーチェ『悦ばしき知識』


「ニート」と言われようがなんだろうが、まだ社会には出られない。

《編者メモ》

私が講師を務めた講座が先日修了しました。
不慣れだったPC操作に悪戦苦闘していた方も、Excelの関数を使えるようになったり、
MOSに合格したり…。いくつになっても、挑戦することは素敵なことですね!
(空)

ニューズレター「異文化交差点」
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